2010年1月11日 (月)
アトリの空と真鍮の月
カテゴリ: レビュー
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| ブランド | TOPCAT |
| 発売日 | 2009年11月27日 |
| 原画 | かどつかさ |
| シナリオ | 鷹取兵馬 |
| 音楽 | SYUN |
よっおっやっくっ、プレイできました。
相変わらず本出し続けているメインジャンル、TOPCAT の「果てしなく青い、この空の下で…。」の正式な続編、「アトリの空と真鍮の月」をば。
アトリの空と真鍮の月(468*117)
珍しく予約して発売日に買っておきながらも、冬コミが終わるまではとひたすら焦らしプレイのごとく我慢し続けた本作。ぶっちゃけ箱開けるのすら耐えてましたぞなもし。
冬コミも無事終わり、夏コミ申込をすませた後、速攻で箱開けてインストールしてプレイ開始。
この連休も利用して、昨夜やっとこさ全クリしました。……うおお眠い! 睡眠時間削りすぎたっ!
さて、そんな待ちに待った本作の出来映えやいかに。
やーっとレビュー書ける~!
最初にすること
公式サイトに行って修正パッチ当ててください。(笑)
TOPCATにしちゃ珍しく、初回版にかなりクリティカルなバグが存在するので、パッチ当てないとドキドキドキーン。
また、以前のセーブデータも使用できなくなりますので、必ず最初にダウンロードしましょう。
相変わらずおっかねえド田舎ライフ
まず、前作の六年後という設定で始まってますが、特に前作を知らなくてもストーリーを追うのに問題はないでしょう。
プレイ済みなら人間関係がある程度わかりやすい、というくらいですのでご心配なく。
もっとも予備知識なしだと、後半の急展開にビビることになるとは思いますが……。
舞台は山に囲まれた陸の孤島、芦日村。
父親と死別した主人公、九重輩人は義母に呼ばれ、この芦日村に引っ越してきます。
そしたらあーた、せっかく転入したばっかの芦日学園は生徒が自分も含めてたったの六人。来年には廃校との話も出てきて、転入早々大ピンチ!
周囲はやたらと排他的かつ山神様山神様うるさい迷信深い人ばかり。村の実権は役場にはなく、旧家の湊本家が牛耳ってる。おまけに地上げ屋のメタボ親父堂島忍(しのぶちゃんと呼んであげましょう)まで現れて、いったいこの村どーなんの!?
これが前作の主人公、正士くんであれば右往左往しつつ、それでもヒロイン達のために孤軍奮闘(すんげー空回り気味ですが)するとこでしょう。
ところが我らが輩人くんは、複雑な家庭環境ゆえか「どうせ俺達は、大人の勝手な都合で振り回されるんだ」とばかりにやさぐれております。クールというか受け身というか碇シンジというか。せっかく口車という特技を持っているのに。(笑)
そんな輩人くんではありますが、純朴なヒロイン達と触れ合ううちに少しずつ学園にも馴染み、夏が来る頃にはすっかりうち解けてきます。
……が、それは遅すぎました。
芦日村の全住民を巻き込む陰謀は、もはや止めることのできないところまで来ていたのです。
なにがあったの文乃ちゃん!?
いつぞやの記事でしのぶちゃんのドエロ親父っぷりとナイスな死に様に期待していた私ですが……なんだかしのぶちゃん、弟のカオルちゃんほど鬼畜道を極めてくれません。
よほど寝取りに気を遣っているのでしょうか、ヒロインには一切手を出してこねえ紳士的なエロ親父。変態の鑑だ。
ヒロイン以外に対しても、直接手を出したのは誰とはいわんがただ一人。(いやそのかわり部下に手を出させてますが)
もしやしのぶちゃん、マジで彼女にホレてます? やたら処女奪うのに執着しとったし。
では弁護士野郎上蔵達吉こと、アングラ達吉はどうかというと。
ええ、確かにアングラ達吉はインパクトあります。アングラ達吉本出してもいいくらいありますが……。
ぶっちゃけ文乃ちゃんの方がインパクトありまくりで困る!
ぎゃあああああ僕の私の文乃ちゃんがあああああああっ!
どうしたの文乃ちゃん、その視野の狭さはっ!? マジ目的しか見えてねえですよ!?
かのカヲルちゃんも斉臥師匠すらも出し抜いた狡猾さはどこいったのっ!?
いや狡猾さは確かにあるけど、なんつーか性格が安曇村に来る前に戻ってますよ文乃ちゃん!
なにそのツン99:デレ1の黄金比っ!? 六年の歳月は女を変えるのに十分よっ!
いやもう、前後の状況から青空文乃エンド以外のルート後の話だっつーのはわかってましたが……。青空の時点で文乃ちゃんを幸せにしとかんと、六年後にここまで性格が悪化するとは思いませんでしたよオレ様。
というわけで……。
アトリの全クリした直後に、青空完全版を10分でピンクのしおりにするオレ様。(笑)
旧版の青空はのべ200時間オーバーなので、全ルート頭に入っているのですよ。
神に頼るな、己を救え
今作のストーリーは基本的に一本きりです。むろん選んだヒロインによって視点や細部は変わりますが、どのルートであっても必ず同じ事象を辿ります。
このため何周もして、それぞれのヒロインの行動を見ていると、少しずつ全体像が見えてくるという作りになっています。
それぞれ異なった役目や目的を持ち、ルートによってはまったく逆の立場に置かれることもままあります。
相変わらずのバッドエンドも健在。このシリーズはバッドエンドが真骨頂なんじゃろか? と思うほど。
なんせ、バッドエンド専用ルートが存在しますから!
ボリュームもかなりのもので、力の入れようが半端ないです。
アトリの雰囲気を存分に味わうには、むしろ初回はバッドエンドを目指した方がいいんじゃないかとさえ思います。いやマジで。
つーかバッドが目立ちすぎて、グッドルート探すのにえれえ苦労しますが。
人間関係の複雑さもTOPCATの持ち味でしょう。
登場人物のほぼ全員が、それぞれのキャラに対してとても人間くさい感情を持っています。
「萌えねえ! つーか背筋凍える!」といえるほどの感情の動き。
妬み、誇り、憎悪、愛情、恐怖、希望。
伝承や因習よりも、どちらかといえばこういった細かい人物描写こそが、今作の見どころではないでしょうか。
まとめ
ヒロインなどについては、ネタバレを含まずに書くのはかなりしんどいので割愛します。
やはりTOPCATといえる良作。青空ファンはもちろんのこと、伝記物が好きな方や田舎の雰囲気を味わいたい方にオススメの一本です。
全体のボリュームも相当なものなので、じっくり腰をすえてプレイしたいところ。
主人公が活躍しまくるような派手な話ではありませんが、かえって感情移入はしやすいかと思います。
……重箱の隅をつつくようですが、後半で何度か三人称視点が入ったりするとこでは、いささか読むテンポがズレるかもしれません。
誤字や「聞く」「訊く」などの表記揺れ、既読チェック抜け、声優さんの誤読など、細かい箇所では見落としもちらほらと。
まあ誤字ならともかく、表記揺れなんて編集者かシナリオ書きでもなきゃ気付かないでしょうが。