2010年2月17日 (水)
ABANDONER
カテゴリ: レビュー
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| ブランド | UNKNOWN |
| 発売日 | 2004年9月17日 |
| 原画 | 大崎シンヤ / BAB |
| シナリオ | 劣化うらん |
| 音楽 | kt2 |
ことエロゲというジャンルにおいて、ハードボイルドを描くのはとても難しいんじゃなかろうかと思います。
だってねえ、エロゲですよ? 美少女ゲームですよ? 萌え萌えな女の子が出まくるゲームですよ?
ほとんどの女の子はありえないくらいにきゃぴきゃぴしてんですよ?
しかもユーザーのほとんど(私も含む)は、そんな二次元との熱き恋バトルを期待してるんですよ?
いいじゃないかモニタの前でくらい萌え萌えモテ気分を味わったって!
……失礼。つい本音が。
さて本題。
そんな萌え萌え美少女が
……まあ、ごく一部を除いてほとんどは売れないんですがね。
ですが皆さん、私はあえて声(とフォントサイズ)を大にして言いたい。
美少女ゲームにおいて、野郎キャラはきわめて重要なファクターだ!
考えてもみてください。「アトリの空と真鍮の月」に、もししのぶちゃん(堂島 忍)やアングラ達吉(上蔵達吉)がいなかったら話が進みません。「鎖-クサリ-」にサプライズパーティー岸田さんの迷言集がなければ、ここまで楽しめませんでした。(「女は口を出すな! 男同士の勝負に割り込みやがって! ち○ぽ生やして出直してこい!」は迷言中の迷言)
今回はそういった野郎ばっか出てくるハードボイルドな美少女ゲーム(変な表現)の良作、UNKNOWN(すでに解散したブランドですが)の「ABANDONER」をレビューします。
壁の向こう側に置いてきたもの
そこは敗戦の爪痕が色濃く残る閉鎖都市、トラストラスト。
シエルの城壁に囲まれ、蟻の這い出る隙間すらない、かつての首都。
マフィア、トリスタニア軍、ブロワ重工の狭間で揺れ動く町。
壁の向こう側の町、ウルの刑事だった主人公、ニール・フォックスはブロワ重工の社長であるメタボ親父ブロワ氏に嵌められ、トラストラストから出ることができなくなりました。
町の外へ出る方法はただひとつ、不定期にリグリア港から発着する密航船に乗り込むこと。
乗船料を稼ぐために賞金稼ぎとなったニールは、ある日「誘拐事件の犯人エド・サミュエルを捜し出し、被害者の少女を保護して欲しい」との依頼を受けます。
刑事であったころの知識を活かしてエド・サミュエルの隠れ家を見つけ出したニールは、そこで意外な光景を目にしました。
被害者であるはずの少女、エレナは明らかにエドを信頼しており、エドはむしろ彼女を守っているようにしか見えません。
不審に思ったニールは、エドに事情を聞こうと試みます。
そのとき、トリスタニア軍のセシリア中尉が部下と共に踏み込んできました。このままでは捕縛されるのも時間の問題と考えたエドは、ニールにエレナを預けて、こう言い残します。
「エレナを……ブロワの研究所に連れて行かないでくれ……」
エレナを連れてその場を離れ、トリスタニア軍に追われる身となったニールは、一刻も早く、かつ秘密裏に二人分の乗船料を稼がなければなりません。
彼が選んだのはトラストラストのメインストリートを牛耳るマフィア、賞金稼ぎにとっては天敵ともいえる、ルッツ・ファミリーの仕事だったのです。
ドキッ☆おっさんだらけのトラストラスト! ホロリもあるよ!
ここまで読めばなんとなくわかると思いますが、本っ当におっさんばっか出てきますこのゲーム。
加齢臭ただようハードボイルド!
ヘイトレン
酒場「センノーメ」を経営する、落ち着いた物腰の初老の男で、ヘッケルの飼い主。
情報通であり、ニールに密航船やマフィアの仕事のことを教えたのも彼。
皆から一目置かれているので、店内でのもめ事は御法度よ!
ヘッケル
ニールいわく、「この世でおまえより綺麗な女はいない」という美貌のカラス。
ヒナのころセンノーメの前で倒れていたところをヘイトレンに拾われ、以来センノーメの看板娘と化す。
店にやってきた軍人に顔を見られたくないときや、相手の話を無視したいときにとても役立ちます。(笑)
トニー(アントニーオ・ベルターリ)
ルッツ・ファミリーの仕事を受ける際、ヘイトレンに紹介された中年の男。
およそマフィアに似つかわしくない面倒見の良さと、独特の言動が目立つエロゲ界助演男優賞もののキャラ。
ポーカーが趣味なのでいつもセンノーメのテーブルを占領し、徹夜で勝負に興じるダメ親父。しょっちゅうカモにされてます。
愛称は「トニー」ですが、ミント以外にそう呼ばれると「俺はアントニーオ・ベルターリだ! アントニーオ・ベルターリだ! 正しい名前だ!」と怒り出します。
ウェルナー
トニーのポーカー仲間であるメタボなメガネ親父。やはりいつもセンノーメにいます。
夢に出てきた裁判長のせいで本棚が苦手。なんでも「本棚は夜中に俺を食おうとするんだ! 特に1928年より古い本棚は凶暴なんだ!」とのこと。あと3ヶ月ごとに0.3ミリずつ縮む難病をかかえてるそうです。
なに言ってんのかわからんと思いますが、私も彼の言うことはさっぱり理解できません。
ミント
トニーの幼馴染でやっぱりポーカー仲間。
一年のうち半分は軍需工業で働き、残りの半分はポーカーでつぶす。
とても人なつっこくていい奴だけど、いささか気が弱いのが難点でしょうか。
コロッサス
ニールが刑事だったころ、何度もとっ捕まえたコソドロ。車の運転が得意。
妻のお腹にいる子供のために絵本を買おうと思ったが、お金が足りないのであっさり盗んで、逃げてる最中にどっかの家の壁と間違えてシエルの城壁を越えてしまい、ウルに帰れなくなった愛すべきバカ。
ゲイリー
人呼んで「ヘンタイの王子様」。一目見ただけで彼の特殊な性癖がわかります。
トリスタニア軍の将校(76歳のじいさん)に向かってアレをおっぴろげて軍の賞金首リストに載り、とっ捕まったあげく軍需工業で9ヶ月間の強制労働をさせられた過去を持つ、すばらしいHENTAI。
後にも先にもこんな罪状を持った賞金首は、世界広しといえども彼だけでしょう。
トニー達の上役であり金回りもよく、トニーを始めとした多くの人間が彼に借金をしています。
リヒャルト・ルッツ
こんな個性的すぎる部下を持って苦労の日々を送る、ルッツ・ファミリーのボス。
実はいい父親なんですが、髪型とおひげが個性的すぎて皆にビビられます。
……やはりあの部下達のボスにふさわしいです。
フレート
ルッツの息子。大の甘党でシュークリームが大好き。
彼にとってシュークリームを焼いてくれた人は皆(男女を問わず)「母さん」です。
リヒター
20歳そこそこでありながら、トリスタニア軍の大佐という地位にあるやり手の男。
美形のメガネ男子なので、その手の属性持ちな女性はウハウハだ!
ねっとりとした視線で、いちいち「ニール・フォックス君」とフルネームで呼ぶとこが、またやおい衝動をかき乱すに違いありません。
ハイン
セシリアの部下で、彼女と共にニールを追い詰める役回りなんですが、生来の面倒くさがりな性格なので走るのはいやん。
咥えタバコがトレードマークのいぶし銀。しょっちゅう上司の目を盗んでは胸ポケットに突っ込んだスキットルを開け、勤務中だろうが平気で飲酒の不良軍人です。
なぜかセシリアよか出番が多いです。しかもセシリアよか活躍します。
ブロワ
ブロワ重工の社長にして、髪の少なさと脂肪の多さに悩むお年頃。
旧レーシュ軍の研究施設である小島を買い取り、そこに育毛剤の研究施設を建てました。むろん育毛剤ってのはウソですが。
ニールに本気で恋をしており、彼を手元に置こうと罠を張り巡らせて、トラストラストに閉じこめた張本人。ええもちろんこれもウソ。
エド・サミュエル
モーガン・フリーマンが演じたら似合いそうなおっさん。
詳細は上のストーリーで述べてるので割愛。
???(黒装束の男)
遠目に見たらダース・ベイダーのコスプレにしか見えん謎の男。SF大会とか好きそうだ。
お手々がホカホカなので、パンを焼くのも得意そう。
……ね? おっさんばっかでしょ?
一応、女の子も出ます(笑)
なんか書いてて自信なくなってきましたが、このゲームは美少女ゲームです。
よって美少女も出ます。(笑)てゆーかそう書かなきゃならんとこが悲しいですが。
エレナ
言わずと知れた本作のヒロイン。金髪ツインテールぼそぼそ喋りと、なんともオタ心をくすぐる美少女よ!
この手のキャラって大抵貧乳だよなーとか思ったら大間違い。脱いだらスゴイんです。
ミント以外では唯一、アントニーオを「トニーさん」と呼んでも怒られなかったスーパーヒロイン。
大崎シンヤ氏の透き通るような絵柄に、萌えずにいられません。
セシリア
トリスタニア軍の中尉さん。
しょっぱなからガンガン主人公を追い詰めようとしますが、元がドジっ娘なのか失敗続き。
一見ツンデレに思えるかもですが、彼女がデレるのは本当に最後の最後です。
ちなみにやたらとセンノーメを訪れるもんですから、最初はてっきりこの子ヘイトレン狙いなのか!? とか思っちゃいましたよもう。
すんげー乳がでかいので、巨乳好きのお友達(あえて誰とはいわんがキミのことだ)も大満足だ!
ヒルダ
リヒャルト・ルッツの娘にしてフレートの姉。
ヘンタイの王子様をママン呼ばわりする弟が心配でたまりません。
人類にあるまじき乳の大きさを誇りますが、巨乳好きのお友達(だからキミのことだってば)ならばこれくらいでちょうどいいに違いない。
……3人だけ。
まとめ
綺麗に書かれた重厚なストーリー、中世ヨーロッパを彷彿させる町に美しいヒロイン、そして映画と見まごうばかりの音楽。
どれを取ってもすばらしく、隠れた良作といえる一本です。
かなり人を選ぶゲームですが、ハードボイルドが好きな人ならば是非オススメしたいところ。
異常なまでにおっさん出現率が高いので、おっさん好きな女性にもオススメ。(笑)
感覚的にはゲームしてるというより、小説や映画を観てるような気分にひたれます。
時間をかけてじっくりとプレイしたい一本。
まあ……だいぶ昔のゲームなので、探すのが一苦労ですが。